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ミネルヴィニの勝者になるための思考法

まじめなこと
くまごろう
くまごろう

こんばんは。くまごろうです。

今回はマーク・ミネルヴィニ氏の「ミネルヴィニの勝者になるための思考法」です。

監修者は長岡半太郎氏、訳者は山口雅裕氏です。

以下は、本書の記載内容を私が独自に分類しましたので、ご参考にお使い下さい。

こちらの著者のマーク・ミネルヴィニ氏は、「マーケットの魔術師【株式編】」に掲載されるほどのトレーダーで、5年連続で年平均で220%のリターンを上げ、複利での総リターンは33,500%という常人離れのパフォーマンスを上げた伝説的な人物です。

はじめに

本書「ミネルヴィニの勝者になるための思考法」は、ミネルヴィニ氏が、なぜこれほどの成功を成し遂げることができたのかについて、彼自身のエピソードや彼の研究結果などを惜しげもなく披露しています。

ただ、具体的な投資やトレードについての話はほとんど触れられていないため、ミネルヴィニ氏のトレード手法について関心がある方は、最後に関連書籍をご紹介しますので、そちらをご覧ください

本書を端的に表すと、ミネルヴィニ氏のいいたいことは以下の4つに分類されるかと思います。

  • 自分の成し遂げたいこと1つにコミットし、全力で取り組む
  • 他責思考ではなく、自責思考でものごとを捉える
  • とにかくポジティブに考える
  • 結果ではなく、プロセスに集中する

次からは、この4つ要点について、それぞれ印象に残ったものを引用し、私の感じたことなんかを併せてお伝えしていきたいと思います。

印象に残った文章

本書を読むまで秘密のままにしたいという方は、ここで一旦引き返していただければと思います。

自分の成し遂げたいこと1つにコミットし、全力で取り組む

大きな目標を達成するためには、何かを後回しにしなければならない。私は若いころ、「35歳までに経済的自由を手に入れる」という目標を立てた。当時はお金もなく、まともに教育も受けておらず、無職だったことを考えると、これは実に高い目標だった。だから、目標達成の妨げになるものには時間を割けなかった。私は経済的自立を達成するまで結婚をせず、子供も作らなかった。目標達成を最優先すれば、私生活に支障が出ると分かっていたからだ。しかし、その目標を達成すると、ほかの目標を達成するのはとても簡単だった。

一時期、「鬼滅の刃」というアニメのセリフ「全集中」という言葉が流行っていましたが、5年連続で年平均で220%のリターンという驚異的なパフォーマンスを上げるためには、これほどまでに全てのリソースを一つのことに注がなければいけないということです。

ミネルヴィニ氏のいう通り、確かにマーケットで成功を収めた人たちの多くは、過去にマーケットにフルコミットしていた時期があるように見受けられます。

そして、成功した彼らは、新たに事業や投資の啓蒙活動やボランティアといった次なる目標もなんなく達成しているように思います。

これは、リソースの使い方についてのスキルが向上したことに加え、大きな成功を収めたことによる自信も影響しているのではないかと考えます。

著書では、「対応力」という言葉が頻繁に使われていますが、上述したスキルや自信を内包した言葉だと理解しました。

この「対応力」を高めるには、1つの目標にフルコミットするのが近道なのでしょう。

他責思考ではなく、自責思考でものごとを捉える

過去と未来は記憶と想像のなかにしか存在しない。唯一の現実は今だけだ。この瞬間にしていることが同時に過去と未来を作り出しているのだ。人生のすべてがこの瞬間に行う選択の結果だということを受け入れたとき、私は経験を自ら作り出す力を得た。すると、私の人生は大きく変わった。平凡な成果しか生み出していない人は、失敗や過ちは自分がコントロールできない要因のせいで起きたと思っている。「私は運が悪かった」とか「人生は不公平だ」と思うのだ。並外れた成果を上げる人は責任を負い、次に対応力を養う。彼らは結果に対する責任を自分に対する非難ではなく、自分の持つ力とみなす。

私自身、なるべく他人や環境のせいにしないよう心掛けているつもりではありますが、とはいえ人間なので、たまには何かのせいにしたくもなります。

他責思考を避けるようアドバイスする自己啓発本はよく見かけますが、自責思考で、かつ、その「自責」というのは、自分の持つ力に対してだとミネルヴィニ氏はいいます。

例えは少し違うかもしれませんが、自分の周りでは、平凡な人ほど過去に達成した小さな実績の話をしますが、優れている人ほど過去に経験した失敗談の話をし、実はその失敗談は大きな責任を伴うものだったりすることが多くあります。

そのため、例え失敗に終わったとしても、大きな責任を伴うことに挑戦できている、という時点で、その人の持つ力は圧倒的だということが分かります。

ミネルヴィニ氏のような驚異的なパフォーマンスを上げるには、大きな責任を受け入れることが重要で、またその大きな責任を受け入れられるだけの受け皿を準備しておかなければならないのでしょう。

とにかくポジティブに考える

人が「できない」と言うとき、実際は「やりたくない」と言っているのだ。失敗に悩まされるときは、成功するために必要なことをしていない、と本能が告げているのだ。

就職活動の際、ある会社から性格診断において、くまごろうさんは「批判的思考がある」とのフィードバックを受けたことがありました。

人事の方にそれとなく聞いてみたところ、物事を批判的に捉えることは、「他に良い代替案はないか。もっと良いアイデアがあるのではないか。」とった建設的な批判の意味があるので、特段悪いものでもないとのお話を伺いました。

その話の通り、建設的であったり改善させるためのポジティブな批判的思考であれば、むしろ大歓迎ですが、何かをやりたくないがためのネガティブな批判的な思考は、避けなければなりません。

ちなみに、著書の中では、例えば「ゴールを外してはいけない」ではなく「ゴールに入れよう」といった形で、同じことを表現するにも、否定的な言葉ではなく肯定的な言葉で表現するようにと指摘しています。

これは日頃からの訓練が必要ではありますが、今日からでもすぐに取り組める内容なので、頭の体操も兼ねて日常生活の中に取り込んでいきましょう。

結果ではなく、プロセスに集中する

昔から「練習はウソをつかない」と言われてきたが、それは間違っている。練習を繰り返せば完璧になるのではなく、癖が身に付くだけだ。完璧になるには完璧な練習が必要だ。

これは私自身も耳が痛い話で、毎朝始業前に喫茶店で読書や資格の勉強を習慣づけていたのですが、何のための資格の勉強で、何を得るための読書なのかを意識していなかったことを反省させられました。

それを機に、当時なんとなく学習していた応用情報の資格試験の勉強は一旦ストップし、その空いた時間を、当時試行錯誤していたトレードのポジション管理についての書籍を読む時間に充てました。

なんとなくの学習よりも、意欲や関心がある分野の学習の方が知識も定着しやすいですし、なにより楽しいので継続できます。

本書のおかげでなんとなく使ってしまうはずだった時間を大幅に削減できたので、ミネルヴィニ氏には非常に感謝しています。

ちなみに最近は機関投資家として必要とされる英語に加え、高度な分析に必要とのことでプログラミング学習に着手しているところです。

皆さんも、日々の時間の使い方について改めて考えてみてはいかがでしょうか。

その他印象に残ったもの

本書の後半では、時間の使い方、良質な睡眠の取り方、また呼吸法などミネルヴィニ氏が実践している具体的な方法についても解説されており、自分自身を変化させるためのいいきっかけも提供してくれます。

特に「睡眠習慣を改善するためのヒント」に記載されている7項目は、すぐにでも取り組める内容のため、私自身も読後すぐに生活の一部に取り組みました。

ちなみに一部を紹介すると、「早起きをしよう」や「眠る前にディスプレイを見ない」といった、よく聞く内容ではあるものの、ミネルヴィニ氏自身の実体験を踏まえた内容でもあるので、すんなりと頭に入ってきます。

そして、7つ目の「すべてを断つ」については、現代社会に生きる私たちには中々ハードルが高いかもしれませんが、効果があるのは一目でわかるので、読後はすぐに取り込んでいきましょう。

くまごろう
くまごろう

頭では分かっているものの、これがまた難しいんだな…

おわりに

冒頭でもお伝えしましたが、本書では具体的な投資やトレードについての話はほとんど触れられていませんが、マーク・ミネルヴィニ氏というスーパートレーダーの思考法に加え、スポーツ選手など勝負の世界で結果を出してきた勝者の思考法を学ぶことができます。

そのため、ある程度投資の経験は積んだもののまだ何かが足りないと感じている方や、投資に馴染みのない方でも、自分自身を変化させたいと思っている方にはオススメです。

おまけ①(ミネルヴィニ氏のトレード手法を学べる関連書籍)

こちらは、ミネルヴィニ氏のトレード手法を学べる関連書籍になります。

これら2冊は私自身のトレード手法の基礎を作ってくれた私のバイブル的な本で、繰り返し何度も読み返しているほどの超良書です。

ミネルヴィニの成長株投資法

前者の「ミネルヴィニの成長株投資法」は、PERやEPSなど基本的な投資用語は出てきますが、具体的な銘柄や実例を用いてミネルヴィニ氏が解説してくれるため、初心者の方でも比較的読みやすいです。

それでいて、書かれている内容は非常に濃く、投資歴10年を超す今でも、読み返すたびに違った景色を見せてくれるので驚くばかりです。

ちなみに本書を端的に表すと、「上がる株を上がり始めるタイミングで買え」です。

それまでの自分は、

  • 上がる株を見つけたらすぐに買う
  • 株価はヨコヨコで動意付くことがなく売却
  • その直後、スルスルと上昇

ということが頻繁にあったので、まさに目から鱗だったことを今でも覚えています。

投資の神様ともいわれるウォーレン・バフェット氏も「複利」の重要性を説いていますが、この複利の効果を最大限に使うには買うタイミングが非常に重要なのです。

目的地に向かうには各停の列車でも良いですが、最短で向かうには特急列車に乗り換え続けた方が効率的です。

もちろん、その特急列車を見つけるのは簡単ではなく、発車するタイミングで乗り換えるのも難しくはあるのですが、考え方の一つとして知っていて損はありません。

株式トレード 基本と原則

次に後者の「株式トレード 基本と原則」の紹介です。

こちらは前者の「ミネルヴィニの成長株投資法」で紹介した手法をより詳細に解説し、かつポジション管理やポジションサイジングといった、より高度なトレード法が学べます。

単に良い銘柄を買うだけではなく、どのように買ってどのように売るのか、出口戦略を含めての売買方法はもちろんのこと、一気にポジションを取るのではなく、段階的にポジションを取っていく方法などを学ぶことができ、この本のおかげで一段上のレベルに上がることができたと強く感じました。

当時、いかに安い株価で大量に買って高い株価で大量に売るかしか考えていなかった自分にとって、段階的にポジションを取っていくことで、判断を誤った時の損失を最小限に抑えることができ、その結果、以前よりもパフォーマンスが安定(ボラティリティが低下)し、精神面でもマーケットの気まぐれ(大きな上下動)に翻弄されることも少なくなりました。

この本のおかげで、単にリターンを上げるだけではなく、リスクを意識してのリターンの向上に努めるようになりました。

そのため、本書はある程度投資にも慣れてきた中級者の方にぜひとも読んで欲しい1冊となります。

おまけ②

ポジションサイズや資金管理戦略について私が最も影響を受けた本で、私自身の事例も記載しています。

個人投資家時代に読んだオススメ本なども紹介していますので、こちらもご参考まで。

投資やトレードには読書によるインプットが重要です。

その読書に当たっての私自身の読書術なんかも紹介しています。

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