スポンサーリンク

ワン・グッド・トレード

まじめなこと
くまごろう
くまごろう

こんばんは。くまごろうです。

今回はマイク・ベラフィオーレ氏の「ワン・グッド・トレード」です。

監修者は長尾慎太郎氏、訳者は山下恵美子氏です。

はじめに

帯に「システムトレードのカモり方」という若干過激なコメントが記載されていますが、本書は2010年に発行された書籍で、当時と2023年現在のシステムトレードのレベルは段違いなので、だいぶ状況は違うのかなと思います。

とはいえ、トレードにおいての根本的な考え方は今なお変わらないため、本書から得られるものは多いです。

まず本書の特徴ですが、著者のマイク・べラフィオーレ氏がプロップファームの創業者であることです。

そのため、どういった人間を採用し、また解雇してきたかといった採用事情はもとより、採用した彼らがどういった過程を経て一人前のトレーダーへと成長していったかを様々なエピソードを用いて語られていき、これこそが他の投資本とは一線を画す要素です。

また、ベラフィオーレ氏自身が実績を上げてきたトレーダーでもあるため、マーケットに対峙するに当たっての心構えなども彼自身の言葉で語ってくれます。

本書では「規律」という言葉を多用し、結果よりもプロセスが重要であることを繰り返し繰り返し説明されます。

先日ご紹介した「ミネルヴィニの勝者になるための思考法」はもとより、成功しているトレーダーは必ず同様のことを説きますが、自身がトレーダーで、かつプロップファームの創業者として新人トレーダーの育成にも取り組んでおり、様々なエピソードや例えを用いて規律やプロセスの重要性を説いてくれるため、非常に納得させられます。

印象に残った文章

ここからは、本書を読んでみて印象に残った文章と、その文章に対しての感想なんかを書いています。

なお、本書を読むまで秘密のままにしたいという方は、ここで一旦引き返していただければと思います。

トレーディングの真髄とは、日々進歩することなのである。毎日自己批判することで進歩することを受け入れられる人がどれほどいるだろうか。それほど多くはいないだろう。大概の人はある場所に到達して休むことだけを考える。

先日ご紹介した「ミネルヴィニの勝者になるための思考法」の中でも同様のことを述べていますが、自己批判つまり自責思考をすることを推奨しています。

なお、ここでいう自責思考とは、物事を改善させるためのポジティブな意味での批判のことで、本書でも新人トレーダーに対しては前向きなフィードバックを与え、ネガティブな気持ちにさせないような工夫をしているとべラフィオーレ氏は述べています。

また、これは自戒を込めてですが、最後の「大概の人はある場所に到達して休むことだけを考える。」はとても身に染みる言葉で、私自身、2019年、2020年と3ケタ増のパフォーマンスを達成し、あと少しでFIREできる水準だなと余計なことを考え始めてからパフォーマンスが悪化してきたことを覚えています。

もちろんパフォーマンスが落ちたのは偶然かもしれませんが、自分自身のパフォーマンスの向上よりもFIREというゴールを意識してしまったことは、今考えてみると愚かだったなと思います。

現在はFIREへの関心は薄れ、2023年からは機関投資家へと転職を行い、機関投資家としてマーケットに対峙していくことに感心が移っているため、機関投資家として必要な知識やスキルを磨くことに精進したいと思います。

ワン・グッド・トレードばかりしても負け日になることはある。しかし、1カ月間ワン・グッド・トレードを続けて、その月の結果がマイナスになるということはほとんどない。

これは本当にその通りで、期待値の高いトレードを続けていたとしても負けが続くことはよくあります。

しかし、期待値が正のトレードであれば、トレードを重ねることについて全く問題はありませんし、むしろ、途中でトレードスタイルや手法を変更してしまうことの方が大問題です。

もちろん、期待値が正のトレードが前提となりますし、そもそも正のトレードであるというのは過去の経験則やバックテストの結果からの推計にはなりますが、短期の結果に一喜一憂せず自身の定めたルールに従う規律を持つことを絶対に忘れてはいけません。

おわりに

本書に出てくる様々なトレーダー達のエピソードを踏まえて読んだ方がより納得感を持って理解できるため、今回は引用箇所をあえて少なくしてみました。

単純に線を引いた箇所でいうとブログ記事3回分以上にはなるぐらい印象に残った点は多いので、自身も新人トレーダーになったつもりで本書を読んでみてはいかがでしょうか。

おまけ

ポジションサイズや資金管理戦略について私が最も影響を受けた本で、私自身の事例も記載しています。

個人投資家時代に読んだオススメ本なども紹介していますので、こちらもご参考まで。

投資やトレードには読書によるインプットが重要です。

その読書に当たっての私自身の読書術なんかも紹介しています。

コメント