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個人投資家時代に読んだオススメ投資本 8冊!

まじめなこと
くまごろう
くまごろう

こんばんは。くまごろうです。

4月に機関投資家に転職してから2か月が経過しました。

今回は私自身が機関投資家になる前の個人投資家時代のことについて、そもそもどういったきっかけで投資を始めたのか、またどういった変遷を経て、どのような本から知識を得て独自のトレードスタイルを築いていったのかについてお話していきたいと思います。

自分自身のトレードスタイルが確立していない方や何か物足りないと感じている方々に少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。

初めての株取引

そもそもの投資を始めたきっかけというのは、実は学生時代に希望するゼミに入れなかったことが一因です。

その時は結構へこんで、しばらく何もやる気になりませんでした。

が、へこんでいても仕方ないので、何か専門性を付けたいというのと上手くいけば一攫千金の可能性もあるということで株取引に興味を持ったというのがきっかけです。

とりあえず、取引をするために証券口座を開設し、アルバイトで貯めた10万円ほどを入金し初めての株取引を始めました。

ちなみに一番初めに購入した銘柄は「8411 みずほフィナンシャルG」でした。

というのも当時の株価は併合前で1株あたり100円で1万円ほどで投資できたからです。

初めて買い注文を出した時はそれはもう緊張して、事前に色々なブログなどで発注の仕方を見て自分なりのイメージトレーニングをした上で注文を出しました。

当時はすでにネット証券が普及していたこともあり、注文自体は非常にあっさりと終わってしまい、若干の拍子抜けしてしまったことを今でも覚えています。

買い注文を出した後5分後くらいに、自分の注文が初めて約定し、これで自分も投資家の一員かと一人悦に浸ったのはいい思い出です。

ただ、買った「みずほ」はその後ほとんど動かず、動いても上下数円でプラスマイナス数百円なので、こんなんでどう儲ければいいのか、、と軽いショックも受けました 笑

それからは個人投資家あるあるかもしれませんが、上昇・下落率上位の銘柄や値動きの軽い小型株などに手を伸ばしていきました。

当時は学生で時間にゆとりがあったことやアベノミクスの初動だったこと、またリターンのことしか眼中になかったため目一杯リスクを取って、わずか1年で60万円ほどまで資産を増やすことができました。

わずか1年で+500%のリターンを出してしまうと、頭の中でそろばんを弾いてあっという間に億万長者だという妄想を抱いてしまうのが人間というもので、もちろん私自身もその一人でした 笑

株取引をするのと並行して、もっと早く安定的に儲けるにはどうすればいいかと様々な投資本を読み始めましたが、マーケットについて学べば学ぶほど自分のしていたことがいかに無鉄砲なギャンブルだったかを理解し始めていきました。

そしてバリュー投資へと目覚めていきます。

バリュー投資をやってみたものの…

バリュー投資の定義は色々あると思いますが、当時の自分はPBRが低い、自己資本比率が高い銘柄への関心が高まりました。

というのも、投資の神様ともいわれるウォーレン・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家 下」の巻末に記載されたグレアム氏の弟子たちのパフォーマンスが安定的でかつ高かったことに魅了されたからです。

そこで、とにかくPBRの低い銘柄をいくつかピックアップし、チャートが底を這っているような銘柄に投資してみました。

これで自分もれっきとした投資家で、安定的で高いパフォーマンスを出せることに胸を躍らせていました。

が、取得してから1週間が経過し、2週間が経過しても株価はほとんど動かず、こんなんでどうやって儲ければいいんだと、一番初めに買った「みずほ」と同じショックを受けました、、

そこでバリュー投資について調べてみると、そもそもバリュートラップという言葉があり、いくら安くても過去に何か不祥事を起こしていたり株主を軽視するような経営陣の会社であったり、何も材料がなくマーケットが注目しないような会社の株価はいつまで経っても上がらないということを学びました。

確かにグレアム氏の投資哲学に沿った、PBRが低くマーケットが見向きもしないような会社の株を買うことは、ダウンサイドリスクを抑えることができるため、負けにくい投資であることは間違いない事実です。

一方、とにかく早くお金を増やしたいという風に考えていた当時の自分のような人間には向かない投資法であるのも事実です。

ということもあって、バリュー投資も意外と甘くないなということを学んだのと同時に、どうすれば短い時間でお金を増やせるかという方向で投資というものを考えるようになっていきました。

ジェシー・リバモアとの出会い

堅実にお金を増やしていくにはバリュー投資が良いというのは理解したものの、バリュー投資はどうしても時間がかかるため、まとまったお金を運用できない個人投資家で、かつ短期間でお金を増やしたい自分にはもっと向いた投資法というものがあるのではないだろうかと考えるようになりました。

そういった中で色々な投資本を読むうちに出会ったのがジェシー・リバモアの「リバモア流投機術」です。

リバモア氏の哲学は非常にシンプルで、

  • 上がり始めたら買う
  • 下がり始めたら売る
  • トレンドが続く限りはトレンドに乗り続ける

に集約されます。

それまでは割安・割高という「価格」についてしか考えてきませんでしたが、リバモア氏の哲学に触れ、「時間」について考えるようになったのは、当時、雷に打たれたような衝撃を受けました。

上がり始めたら買って、トレンドに乗り続け、下がり始めたら売る、非常にシンプルで納得感もあるものの、実際に行うとなると非常に難しいのは言うまでもありません。

そもそもトレンドの最初を見つけることが非常に難しく、見つけたトレンドを運良く掴んだとしても、そのトレンドに乗り続けるというのは、素人の自分には到底できる代物ではなかったのです。

またリバモア氏の投資対象がコモディティや米国株など、自分の投資対象の日本株と違ったということもあって、また別の手法を模索し始めます。

成長株への投資

バリュー投資は時間がかかり過ぎるし、トレンドフォローは魅力的ではあるものの、そもそものトレンドを見つけられない…という時に出会ったのが、「ピーター・リンチの株で勝つ」という本でした。

この本のおかげで、どういった観点でトレンドが出そうな銘柄を発掘すればいいのかを学ぶことができました。

「第2部 有望株の探し方」の「一〇倍株を狙え」は非常に中身が濃く、個人投資家の中でもよく用いられている、「テンバガー(一〇倍)」の元ネタでもあります。

特に印象に残ったのが、

 患者にとって良い薬とは、一度使えば完治してしまう薬のことを言うが、投資家にとっては患者が使い続けなければならない薬ということになる。

です。

新薬や画期的な技術があれば株価は上がるものだと考えていた自分にとっては、まさに目から鱗でした。

当たり前といえば当たり前ですが、株価は将来発生する配当金つまりその原資となる利益を見越した形で形成されていきます。

つまり、新薬や画期的な技術自体の価値ではなく、それらが稼ぎ出すキャッシュに注目しなければならないのです。

先の引用文は患者にとっては少々残酷かもしれませんが、投資の厳しさというものを痛感したのは言うまでもありません。

他にも紹介したい文章はたくさんあるのですが、とにかくこの本を通じて株式投資で重要なことは、とにかく利益であることへの理解が深まったと思います。

トレンドを掴む

ここまでで、なるべく短期間で大きな資産を築くには、

  • 利益の出る銘柄を見つけ、
  • その銘柄のトレンドに乗る

であるとの考えに至りました。

しかし、仮に利益の出る銘柄を見つけたとしても、実際に株価がトレンドを形成し始めるまでには時間を要します。

そこで、どういったきっかけでトレンドが形成し始め、そしてそのトレンドをタイミング良く掴むことができるのか、様々な本を読んできて出会ったのが、こちらの2冊です。

1つ目はご存知の方も多く、当ブログでも以前紹介したマーク・ミネルヴィニ氏の「ミネルヴィニの成長株投資法」です。

こちらの本で印象に残っていることは、常に強い銘柄にベットし続け、複利で資産を増やしていくことの重要性を説いてることです。

投資の神様ともいわれるウォーレン・バフェット氏は「複利」の重要性を説いていますが、この複利の効果を最大限に使うには買うタイミングが非常に重要です。

最短で資産を爆発的に増やすためには各駅停車で目的地を目指すのではなく、特急列車に乗り換え続けた方が効率的という考え方です。

そして2冊目は林則行氏の「伝説のファンドマネージャーが教える株の公式」です。

こちらの本では先のミネルヴィニ氏や後程説明するウィリアム・オニール氏の手法と同様の手法ですが、日本の株式市場をベースとした解説であるため、日本市場で戦う個人投資家にとっては必読書といえます。

これらの本で、

  • 年初来高値や数年来高値を更新したタイミングで株を買うこと
  • 業績よりもチャートが崩れたら売ること

を学ぶことができました。

ちなみに少し古いですが、ウィリアム・オニールの「オニールの成長株発掘法」も先の2冊同様非常にオススメです。

こちらで紹介されている「CAN-SLIM」という手法は、7つのポイントに沿って投資の意思決定を行うというシンプルかつ強力な手法であるため、知っていて損はないです。

また個別株投資というミクロ的な視点だけでなく、「ディストリビューション」という相場全体の確認もチェックポイントに含まれているため、上がる株さえ見つかければいいと考えていた当時の自分には、また新たな武器を手に入れたと非常に興奮した記憶があります。

どのくらい賭ければいいか

ここまでで株取引を始めて約5年ほど経過し、自分の中ではある程度の「型」のようなものはできてきたなという実感はありました。

また同時にパフォーマンスも順調に推移していたため、相応の自身もついてきたのを覚えています。

パフォーマンスはそれなりに順調に推移していましたが、更なるパフォーマンスの向上を目指して投資本については、引き続き様々な種類のものを読み進めていきました。

そんな時に出会ったのが、ブレント・ペンフォールド氏の「システトレード 基本と原則」でした。

こちらの本は、私が今まで読んできた投資関連の書籍の中で最も影響を受け、とにかく思い入れのある書籍になり、当ブログでも3回に分けて紹介しています。

なお、題名に「システムトレード」という言葉がありますが、システムトレードに馴染みのない方であっても非常に参考になる書籍で、実際に投資をする際に「どのくらい賭ければいいか」というポジションサイジングについて、これでもかというほどの例を用いて解説されています。

投資について知識を付けていけばいくほど、資金管理やリスク管理の重要性を痛いほど理解していくと思います。

本書ではポジションサイジングを通じて資金管理やリスク管理について相当に深いレベルで学ぶことができます。

またポジションサイジングだけでなく、トレーダーの心理面についても多く触れられており、まさにこの一冊に投資・トレードの神髄が凝縮されているといっても過言ではありません。

それくらい素晴らしい一冊です。

ポジションサイジングの威力を実感したのは2020年のコロナショックです。

2020年1月、日経平均は1月の最高値24,115.95円から3月の最安値16,358.19円まで30%超のドローダウンを喫しました。

その年、本書を読んでポジションサイジングの知識をトレーディングに取り込んでいた私は、最高値から下落する途上でポジションをゼロにすることができ、その後のリバウンドではポジションを積み増したことで、最終的には入出金込みで+112.1%のリターンを達成することができました。

それぐらい、ポジションサイジングの知識があるか/ないか、またトレーディングに取り込むことができるか/できないか、では天と地ほどの差が生まれるのです。

ちなみにポジションサイジングは、伝説的なトレーダーのリチャード・デニス氏とウィリアム・エックハート氏の育成したタートルズの一員であるカーティス・フェイス氏の「伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術」でも、かなりのページを割いて言及されているくらいトレードを行うものにとっては重要な要素ですので、こちらも一読をオススメします。

こちらはタートルズの内部のストーリー自体はとても読みやすく面白いのですが、重要な要素であるポジションサイジングについては、初心者には取っつきにくい内容となっていますので、ポジションサイジングに興味がある方は先の「システムトレード 基本と原則」から読み始めるのがいいでしょう。

おわりに

今回は私自身が個人投資家から機関投資家に至るまでの経緯と、影響を受けた投資本について紹介させていただきました。

次回は、私自身の経験も踏まえて「機関投資家に向く人、個人投資家に向く人」について私なりの考えをお伝えしたいと思います。

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