こんばんは。くまごろうです。
自分自身の経験で何か話せるブログネタはないかな~と考えてみたところ、過去に証券アナリスト資格を取得したことがあったため、今回は証券アナリスト資格についてお話をしていきたいと思います。
証券アナリストとは
そもそも証券アナリストって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ざっくりと業務内容をまとめると、
- 企業価値の算出を中心に企業の属する業界、また経済状況等を総合的に分析し
- 主に投資家やトレーダーに向けてレポートを書く
仕事になります。
ちなみに、本記事での「証券アナリスト」は公益社団法人 日本証券アナリスト協会が定めたCMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)のことを指します。
CMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)は、当協会の定める所定の教育講座(以下、CMA講座)を受講した上で、それに基づく試験に合格し、一定の要件を満たすことで認定される資格です。
公益社団法人 日本証券アナリスト協会ホームページ参照 https://www.saa.or.jp/cma_program/step/about/index.html
証券アナリスト会員になるには
証券アナリスト資格を取得するには、「1次試験」「2次試験」「3年間の実務経験(証券分析業務等)」が必要になります。
取得するまでにはそれなりの勉強時間や費用がかかりますが、体系化された知識を習得できるのと、大学レベルの数学や統計学の復習もでき、また取得後は証券アナリストジャーナルといった協会誌も読むことができるので、個人的には取得して良かったかなと思ってます。
資格取得までの費用
証券アナリスト資格を取得するまでには、少なくとも145,000円の費用がかかります。
内訳 | 費用 |
---|---|
1次試験受講料(一般受講者) | 60,000円 |
受験料(試験科目Ⅰ) | 6,400円 |
受験料(試験科目Ⅱ) | 3,300円 |
受験料(試験科目Ⅲ) | 3,300円 |
2次試験受講料 | 57,000円 |
受験料(2次試験) | 15,000円 |
合計 | 145,000円 |
これらに加え、必要に応じて参考書(協会から送付以外)や過去問といった費用、また2次試験合格後、証券アナリスト会員になるための入会金10,000円に加え、毎年18,000円の会費(満65歳以上は12,000円)などの費用もあるため、取得を考えている方は諸々の費用を加味した上で、取得を検討してみて下さい。
改めてみるとそれなりのお値段だ…
ちなみに私はTACの参考書を買って勉強してました。
というのも、
- 協会から送られてくる10冊以上の参考書は内容が濃すぎるため読み込むのに時間がかかる
- TACに通った場合、受講料として更なる出費が必要となる
からです。
以下は、TACに通った場合の”1次試験対策”の受講料になります(コースによって違いますが、一般的な入門総合本科生の受講料です)。
TACの”参考書”は証券アナリスト資格に最短コースで合格するために最適化された参考書であるため、サクッと合格したい方は参考書を活用しましょう。
ちなみに、TACの参考書は合格に向けて最適化されているため、細かい部分は協会から送られてきた参考書で知識を補っていました。
せっかく協会の受講料も払ってるから使わないともったいないよね
1次試験
受講料
1次試験を受けるためには、まず第1次レベルの講座を受講しなければなりません。費用は以下の通りです(2022年現在)。
学習分野
1次試験の学習分野は以下の通りです(2022年現在)。
試験概要
そして、実際の試験では以下の科目全てに合格する必要があります(2022年現在)。
2時間50分、1時間40分、1時間30分…トータル6時間か…
受験者、合格者情報
ちなみに直近の受験者、合格者情報は以下の通りです(2022年現在)。
合格率が高いため、意外と簡単では?と思われる方もいるかもしれませんが、鵜呑みにしてはいけません。
というのも、
- 簿記やFPといったメジャーな資格とは異なり、証券アナリスト自体が比較的ニッチな資格である
- 費用や相応の学習時間を要することからお試しで受験する方は極めて少数である
と考えられるからです。
ちなみに合否は各科目ごとのため、どれか1つ不合格だったとしても再度3科目受けなおす必要はありません。
ただ、
- 試験は年に2回であること
- 2次試験を受けるためには1次試験の3科目全てに合格する必要があること
から3科目全てを一発で合格できるよう計画的に学習しましょう。
2次試験
受講料
1次試験の3科目全てに合格すると2次試験の受講資格を獲得することができます。
1次試験と同様、2次試験を受けるためには第2次レベルの講座を受講しなければなりません。費用は以下の通りです(2022年現在)。
学習分野
学習分野は1次試験と同じですが、2次試験は「論述式の問題」が中心ということで、今まで得た知識を総動員して臨みます。
試験概要
2次試験の概要は以下の通りです(2022年現在)。
2次試験もトータル6時間か…
ただ1次試験よりも1時間早く帰れるよ!
2次試験も1次試験と同様にTACの参考書を使って乗り切れました。
ちなみにTACに通った場合、”2次試験対策”の受講料として17万円の出費が必要となります(コースによって違いますが、一般的な入門速修本科生です)。
合否判定と注意事項
2次試験の採点と合否判定は以下の通りです(2022年現在)。
2次試験の注意事項として、
- 午前と午後の両方の受験が必要であること
- 「職業倫理・行為基準」の得点が一定水準以上であること
が合格のために必要となります。
1つ目については、よほどのことがない限り、午前の試験だけ受けて帰る人はほとんどいないと思いますが、2つ目の「職業倫理・行為基準」については、意外と見落としやすいので要注意です。
ちなみに「職業倫理・行為基準」はそこまで難しくはありませんが、全くのノータッチだと足元をすくわれますので、最低1回は最新版のテキストを読んでおきましょう。
また2次試験は年1回しか試験が実施されないため、一発で合格できるよう1次試験と同様に計画的に学習しましょう。
受験者、合格者情報
最後に直近の受験者、合格者情報は以下の通りです(2022年現在)。
1次試験と同様、合格率は高いですが2次試験の受験者は1次試験を合格していることが前提条件ですので要注意です。例えるなら、1次試験が東大への入学試験、2次試験は入学後の試験で平均点以上取るようなイメージです。
さすがに東大と比べるほどではないけど、
まあイメージはそんな感じかな~
3年間の証券分析業務等の実務経験
2次試験に合格し、①証券分析業務等の実務経験を3年以上有する、もしくは②証券分析に関する学識経験者は、日本証券アナリスト協会検定会員として入会できます。
②の基準を満たすのは、恐らく大学など教鞭を執る方などかなり限られた方かなと思いますので、①の実務経験をクリアすることを考えてみましょう。
実務経験の例としては以下の通りです(2022年現在)。
「経済、産業、金融に関する調査・分析業務」や「事業会社における財務管理・分析・企画業務」あたりは実務経験として比較的認めてもらえそうなところでしょうか。ただ、あくまで私見ですので、詳しくは協会あてに確認してみて下さい。
証券アナリスト会員になると
転職活動時のアピールポイントになる!?
20代の頃、転職活動をしていたことがありましたが、証券アナリスト資格の取得前後で企業からの食いつきが明らかに違ったので、転職活動を視野に入れている方はぜひご参考まで。
なお、証券アナリスト資格の取得は1次試験の受講開始から2次試験の合格まで2年、また3年間の実務経験も必要となるため、転職活動に活用したい場合は計画的に取得をご検討ください。
また、30代での転職となると、現職の実務経験やマネジメント能力等が問われることが多いといわれています(少なくとも自分はいわれました)ので、証券アナリスト資格の取得を検討されている方はくれぐれもご注意を。
証券アナリストジャーナルの閲覧が可能に
会員になると毎月証券アナリストジャーナルという協会誌を読むことができます。
ちなみに以前は毎月、冊子が送られてきて一通り目を通していましたが、時代の流れもあってか現在は電子版のみのため中々目を通さなくなっているのが現状です・・・
これを機にまた読み始めようかな…
まとめ
今回は、そもそも証券アナリストとは何?という話から始まり、証券アナリスト資格を取得するための費用や試験内容、また証券アナリスト会員になった後の話についてお話をしました。
以上をまとめると
- 証券アナリストとは、企業価値の算出を中心に投資家やトレーダーに向けてレポートを書く仕事
- 証券アナリスト資格を取得するには、少なくとも145,000円の費用が必要
- 証券アナリスト資格を取得するには、6時間の試験を2回、また3年間の実務経験が必要
- 証券アナリスト資格を取得すると、転職活動のアピールポイントになる
です。
証券アナリスト資格は、まだまだ馴染みのある資格ではないかもしれませんが、投資に興味がある方や個人投資家の方はぜひ一度参考書なんかを見てもらえればと思います。
1次試験の参考書はこちらをご覧下さい。
2次試験の参考書はこちらをご覧下さい。
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